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ハートフリーな食環境を叶える色のチカラ

今回、私が色彩を監修させていただいた「ハートフリーレストラン」は、介護施設の理想的な食環境を実現する、コーディネートプランです。

食べること、装うことは私達にとって、日々の生活の中での大きな楽しみのひとつです。介護が必要になったとしてもそれは同じです。

しかし残念ながら介護を受ける状態になると、食べる、着るは「楽しみ」としてではなく、生命維持のための「行為」になりがちです。多くの介護現場で使われている機能重視のエプロンや食器などがわかりやすい例です。そこには彩りや潤いはなく、食事を無味乾燥なものに感じさせ、利用者の自尊心まで損なう原因にもなります。

介護施設の食環境で最も必要なのは、感覚を刺激する彩りのある環境、そして食べる喜びを味わえる楽しい雰囲気です。食事を美味しいと感じてもらうためには、料理の見た目はもちろんのこと、エプロン、テーブルクロス、盛り付ける器、などの色合いが大切です。

また美味しく楽しい食事に不可欠なのは、周囲とのコミュニケーションです。利用者同士やスタッフとの温かい交流は、食欲喚起の最大のスパイスとなります。

ハートフリーレストランのエプロンは、身に着ける利用者、介護者の双方が共通のイメージと色彩を共有することで、コミュニケーションの活性化を促します。フラワーガーデンは、心にイキイキした楽しさをもたらす心理的効果、テンダードットは、モダンでありながら明るさがあり、食欲を湧かせる効果、和・花ちらしは、華やかさと鮮やかさがあり、視覚的な刺激をもたらす効果があります。

優しさと思いやりを伝えるハートフリーレストランは、利用者の食生活を豊かにするための心理効果と機能性を兼ね備えた、QOLを高める彩りとなるはずです。

色彩監修:日本ユニバーサルカラー協会 南涼子

高齢者を対象とする色彩の研究に取り組み、介護・医療施設の色彩計画、医療・福祉製品の色彩監修を専門とするカラーコンサルタント。「医療・福祉と色彩」等をテーマとした、色彩提案、全国各地での講演、講座、執筆を行っている。2003年日本ユニバーサルカラー協会を設立。2010年に色と形を立体化させた世界初となる「クリスタルカラーセラピー」を考案・開発。TV、ラジオ、新聞、雑誌など各メディアでも活躍中。

主な著書は、「介護に役立つ[色彩]活用術」(現代書林)、「介護力を高めるカラーコーディネート術」(中央法規)。

「一般社団法人 日本ユニバーサルカラー協会」公式サイト

2014/01/25